2009年12月

薬害イレッサ訴訟 続き

薬害イレッサ訴訟の続きです。
海外ではこの抗癌剤治療の薬剤、イレッサについてどのような対処をしていたのでしょうか?

米国FDA、食品医薬品局は2005年にこのイレッサを新規の患者へ使用を禁止しました。
EUでも2005年には製薬会社が申請を取り下げました。
海外ではこのような動きがあったのにも関わらず日本では被害者が続いて出てしまったのです。

被告となった製薬会社と国の言い分はこうです。
「イレッサが実際に効いている患者がいる事実がある。これは効果があったことを示すことである。」
もちろん、原告側の主張とまったく違っています。

薬害エイズもそうですが、薬害肝炎、薬害イレッサとこうした事件は続いています。
いずれの事件も同じですが、厚労省、製薬会社、双方は被害があることを知っていながら、新薬を承認してしまいました。
そして、販売させ、被害を拡大し続けた責任があります。

このような事件が起きてしまうと、抗癌剤治療を受けることは、とても勇気が要ることに思えます。
現在、抗癌剤を製造している製薬会社は、日本には沢山あるでしょう。
日本は世界一、抗癌剤の種類が多い国だと誇れますが、こうした薬害問題も現実には起こっているのです。
製薬会社は常に研究と開発に力を入れていますので、毎年のように新薬が出てきます。
これはすばらしいことですが、こうした薬害被害の事実も後を絶たないのであれば、人間の命を救うための薬を開発したのにもかかわらず、結果、人間を殺してしまうことになり兼ねません。

薬害イレッサ訴訟

以前、抗癌剤治療に関してこんな事件がありました。
2002年、イレッサという抗癌剤には重い副作用があることをわかっていながら、国はこれを承認しました。
イレッサの販売を続けたことが、被害を拡大させてしまったのです。

副作用で苦しむ患者たち、またすでにこのイレッサの副作用で死亡した患者の遺族たちが、アストラゼネカという製薬会社と国を相手に損害賠償を求めていました。
これを「薬害イレッサ訴訟」と言います。

製薬会社である、大阪のアストラゼネカが販売していた抗癌剤、イレッサは、2002年に発売されました。
発売当時は、副作用が少なくて手軽に自宅で使える新薬と話題を呼びました。
これを待っていた患者さんたちもいたでしょう。

ですが、発売から、わずか2ヶ月後のことです。
イレッサによる抗癌剤治療をしていた26人が副作用と思われる間質性肺炎等を発症しました。
そして残念なことに、その中で13人が死亡してしまったのです。

その後も続けて、副作用を発症した人は急増しました。
2008年3月までには1916人が発症して、その中の734人が死亡したということです。

この抗癌剤、イレッサが厚労省から承認されたのは2002年7月です。
申請してから、なんと半年後に承認されたという、スピード承認でした。

原告弁護団によると、承認された時、製薬会社側は、動物実験によって重い副作用があることをすでに知っていたと言います。
実は海外、日本国内で人間も死亡した臨床ではない例もあったそうです。

抗癌剤が「効く」とは治ること?

抗癌剤治療を行う場合に使われる言葉で少し気になることがあります。
それは、この抗癌剤は「効果がある」または、この抗癌剤は「効く」と言いますが、これは具体的には完治するということなのでしょうか?

例えば、薬局の店頭で薬を購入するときに「頭痛に効く薬を下さい」と言って、お店の人にお勧めの薬を出してもらいます。
この場合の「頭痛に効く」とは頭痛が治るという意味で使っています。

このように「薬が効く」という言葉は、世間一般では病気が治る意味で使われています。
ですが、抗癌剤治療においては、これはちょっと違ってくるのです。

あるケースとして、肺癌(ガン)の患者に抗癌剤のイレッサを投与したとしましょう。
肺癌(ガン)の場合、CT画像診断などで、癌(ガン)細胞が以前撮影時より半分に以上、小さくなっていた場合は抗癌剤の効果があった、薬が効いたと判断するのです。
癌(ガン)細胞の縮小が見られた期間が、単なる一時的なものであったとしても、薬が効いたことになります。
もちろん、その後に、また癌(ガン)が進行して、拡大してしまい、半分になったものが、また元の大きさまで戻ってしまっても、一度小さくなったのですから、これは抗癌剤の効果があったということになります。

結果、抗癌剤治療での「効果がある」という言葉、完治するという意味ではなくなりますね。
ですから、抗癌剤が効くということは、「延命が出来た」または「癌(ガン)が小さくなった」という意味で使われていることになります。
もちろん、抗癌剤治療で癌(ガン)が完治するケースも多数ありますので、誤解なさらないようにして下さい。
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